生活の柄

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http://www.asahi.com/obituaries/update/0416/001.html

 「自衛隊に入ろう」などで知られるフォーク歌手の高田渡(たかだ・わたる)さんが、16日午前1時22分、心不全のため公演先の北海道釧路市の病院で死去した。56歳だった。

学生時代,なじみの楽器屋が主催するライブで,この人の歌を一度だけ聴いたことがある。楽器屋の親父は「いつ死ぬか分からんから,今のうちに呼んどかんとなぁ」と当時から言っていたが,評判通り酒瓶とともに現れた*1その人の,飄々とした語りと歌と,そのくせ嫌らしいほど精確なアルペジオは,やはり「神様」のそれであった。
公演先でというその亡くなり方まで,いかにもこの人らしい。心より合掌。

社会や人間のせちがらさ、悲しみを、逆説的でとげのある歌詞に乗せて歌った。代表曲に「自衛隊に入ろう」「ごあいさつ」「自転車に乗って」など。

彼があのとき最後に歌ったのは「生活の柄」だった。「値上げ」を一頻りやって宴も佳境に入った頃,「やるなんて言ってませんよ」と言いながら*2「酒を止められていて云々」という話を*3延々10分語り続け,でも結局やったその歌を,心からご冥福を祈って捧げたい。

高田渡 BOX

高田渡 BOX

*1:実はそれは水であったと,後日その親父に聞いた。

*2:自衛隊に入ろう」はホントにやらなかった。

*3:酒を飲みながら!