知っておきたかったこと

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知っておきたかったこと

What You'll Wish You'd Known

Paul Graham, January 2005

これは、Paul Graham:What You'll Wish You'd Known を、原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。<版権表示>
本和訳テキストの複製、変更、再配布は、この版権表示を残す限り、自由に行って結構です。
(「この版権表示」には上の文も含まれます。すなわち、再配布を禁止してはいけません)。
Copyright 2005 by Paul Graham
原文: http://www.paulgraham.com/hs.html
日本語訳:Shiro Kawai (shiro @ acm.org)<版権表示終り>

まださらっと眺めてみただけだが,スクロールしているだけで,至言が眼に飛び込んでくる。
版権表示を残したところで,抜粋転載。

何が好きかを決めるのなんて一番簡単なことだと思うかもしれない。でもやってみると、それはとても難しい。理由のひとつは、仕事で実際にどういうことをしているかっていうはっきりしたイメージを 持つことが、多くの仕事では難しいからだ。例えば医者という仕事の実際は、テレビで描かれるようなものじゃない。もっとも医者の場合は、病院で ボランティアをすれば本物の医者を見る機会が得られるけれどね。

その時のぼくに、高校生と大人の違いは何かと聞いたなら、たぶん大人は生活のために稼がなくちゃならない、と答えていただろう。間違いだ。ほんとうの違いは、大人は自分自身に責任を持つということだ。 生活費を稼ぐのはそのほんの小さな一部にすぎない。もっと大事なのは、自分自身に対して知的な責任を取ることだ。

じゃあ、本当の仕事は何になるんだろう。きみがモーツァルトでない限り、やるべきことはまずそれを探し出すことだ。やりがいのあることって何だろう。すごい発想をする人達はどこにいるだろう。そして一番重要なこと:自分は何に興味があるだろう。「適性」という単語はちょっと誤解を招きやすい。元から備わった性質のように思われるからね。最も強い種類の適性とは、ある種の問題に対するどん欲な興味だけれど、そういう興味は後天的に獲得するものが多い。

プロジェクトが君の将来目指すものにあまり関係なさそうだったとしても、心配することはない。目指すものに到達する道っていうのは、君が思うより ずっと大きく曲がりくねるものなんだ。プロジェクトをやることで、道は伸びてゆくんだ。 一番大事なのは、わくわくして取り組むことだ。そうすれば経験から学ぶことができるからだ。

高校生の私は,こういう言葉に耳を貸せなかったかもしれない。だけどあぁ,なんとそれを「知っていたかった」ことだろう。"What you'll wish you'd known." えぇ,全くその通り。知っておきたかったことは,常に後になって気づくモノだ。最後に彼はこう結ぶ。

大人と高校生の唯一の違いは、大人はものを成し遂げる必要があることを知っていて、高校生はそうでないということだ。多くの人々は、それをだいたい23歳くらいの時に知る。でも、こっそりいまから始めることを、ぼくは君達に勧めたい。さあ、始めよう。そうすれば、君達は史上初めて、高校の時に時間を無駄にしなかったと 言える世代になるかもしれない。

23歳!社会人になって,という意味だろうか?自分はまだ学生だったけれど,確かにその頃ようやく今自分がやっていることは,やらなきゃいけないことなんじゃなく,やろうと自分が選んだことなんだと知り始めた。確かにものを成し遂げる必要があることに気づき始めていて,けれど成し遂げたいコトなど何もなかった。いや,成し遂げたいコトは無限にあったけれど,成し遂げられそうなコトは皆無に思えた。それが成し遂げようとしない言い訳でしかないことに気づくには,時間がかかった。

そして,言い訳のない日々はまだまだ遠い。さあ,始めよう。