病に伏せる

昨夜オフィシャルな飲み会に出たところ,ビールしか飲んでないはずが急激な腹痛に襲われる。
こういうときは「あぁまたか」と思うのだ。何を隠そう過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome: IBS)にして十二指腸潰瘍と,基本的に消化器系ダメダメな私である。そんな私の中心的な研究テーマが腸管*1であったりするから,とかくこの世はままならぬ。
ヒトの人たるは脳にあるかもしれないけれど,ヒトだって動物だ。動物の体は,どんな動物だろうが結局腸管とその周りでできている*2チクワみたいなものだ。だから腸管は,どんなに曲がりくねろうが長かろうが,やっぱり体の中心である。と解剖学者ぶったことを言いながら,小生本日は一日布団の虫である。
腹が痛いと当然食欲がなくなるのだが,十二指腸潰瘍ってヤツは因果なもので,空腹になると痛くなる*3。腹が痛いので無理して食う。一定時間経つとまた痛くなるので食う。こうして,発症すると妙に規則正しい生活になるのが,私の常である。
そんなこともあって,この病気にはイロイロ助けられてるなぁというのも,また偽らざる実感だ。暴飲暴食とストレスに満ちた日々を,程々(ギリギリ?)のところでコントロールしてくれている。医者に止められるより,自分の体に止められた方が,どれだけ効果があるかわからないではないか。こればかりは出るときは出るものだし,何とかつき合っていくしかない。今はただ,ついに逃げられなくなった内視鏡に戦々恐々とするのみである。

*1:厳密にはその血管だが。

*2:クラゲやイソギンチャクみたいな生き物だと,腸は「管」ではなく「袋」である。入れるところと出すところが同じなわけだ。ヒトも受精してから3週目くらいだとそんな状態になっていて,これを原腸という。

*3:胃潰瘍は逆に食べると痛くなる。これには解剖学的な理由がある。…のだが,今日はもはや書く気力がない!